本会名誉顧問の山川民夫先生は2018年10月7日、96歳で逝去されました。コンソーシアムシンポジウムや日本糖質学会年会の懇親会で、洒脱で興味深い挨拶をされ、力強い乾杯の音頭をとられる先生のお姿は、多くの方々が鮮明に記憶されていることと思います。どこへ行くのか、いつ終わるのか、はらはらしながらでしたが。先生の知力は最後まで、衰えることはなく、その存在自体が我々に深い感慨を与えずにはいませんでした。
先生の先駆的な糖脂質の構造解析、機能解析の業績は高く評価され、日本学士院賞、文化功労者として顕彰されています。同時に、先生はJournal of Biochemistry及びProceedings of The Japan Academy, Series B, Physical and Biological SciencesのEditor-in-Chiefとして、両雑誌の発展に大変尽力されました。
これらの業績を記念して、小倉治夫先生、谷口直之前本会会長のご尽力で2015年に創設された山川民夫賞は、2年に一度、糖鎖科学の発展の貢献した研究者に贈られるもので、国際的な選考委員会により選考されます。本賞の授賞は日本糖鎖科学コンソーシアムの重要な活動の一つとなっており、第1回2016年はMarkus Aebi教授、第2回2018年はGerald Hart教授が受賞されています。
先生の業績、お姿がいつまでも我々の記憶に生続け、我々を鼓舞してくださることを願うとともに、心からお悔み申し上げます。
(文責 JCGG事務局 鈴木明身)