トップページへ

JCGG事務局
(独)理化学研究所 
グローバル研究クラスタ
システム糖鎖生物学研究グループ

〒351-0198
埼玉県和光市広沢 2-1
(TEL: 048-467-9613,
FAX: 048-462-4692)

会長あいさつ

ご挨拶
日本糖鎖科学コンソーシアム会長
谷口直之


 日本糖鎖科学コンソーシアム(JCGG)の会長として、ご挨拶を申し上げます。また、この機会をお借りして簡単にJCGGのこれまでの活動の一端をご紹介させていただきます。 JCGGはその前身母体を含めると14年前に故永井克孝先生(東大名誉教授)を初代会長として設立され、2代目の会長は川嵜敏佑先生(立命館大学)そのあとを小職が引き継いでおります。事務局(事務局長吉田圭一氏)を現在国立研究開発法人理化学研究所グローバルクラスタ、システム糖鎖生物学研究グループに置いております。

 JCGGの活動としては、年1度のシンポジウムの開催に加えこれまで出版事業として「未来を拓く糖鎖科学」(金芳堂発行)およびExperimental Glycoscience(Glycobiology およびGlycochemistryの2分冊)( Springer社)を出版、さらに、昨年はGlycoscience:Biology and Meidicine (Springer社)をJCGGのメンバーが中心となり上梓致しました。また糖鎖に関連する数々のデータべースは成松久先生(産総研)が中心になり作成され、JCGGDBとして公開されいています。糖鎖研究の現状把握や問題点の調査、ポスドク問題の現状把握などのアンケートへの協力、科学的な倫理問題として無視できなかった糖鎖コミュニティーで起こった過剰なマスメディアへの宣伝に対する警告など行ってきました。

 年一回開催される本コンソーシアムのシンポジウムは主に科学技術振興機構、日本学術振興会、NEDOその他文部科学省、経済産業省、厚生労働省などから大型研究費を獲得されている研究グループの方々が世話人となり開催され、大学、研究機関、産業界などから多くの参加があります。JCGGの運営資金は多くの糖鎖研究者の方々からの個人的なご寄付や、出版の印税、年に一度のシンポジウムの会費、水谷糖質科学振興財団のご支援、協賛企業の方々の広告や展示の寄付金からなりたっております。JCGGの活動体制は学会などとは少し趣を変えて、企画委員会(現委員長遠藤玉夫先生)が中心になり、活動の計画を行い、短期間で立案から実行に移せるような機動性のある組織体制をとっております。

 また、昨年米国科学アカデミーが出版しました“Transforming Glycoscience-A ROADMAP FOR THE FUTURE- (変貌するグライコサイエンスー未来へのロードマップ)の翻訳書を短期間で出版することができました。本書では世界のグライコサイエンス(糖質科学)は、医療分野だけではなく、バイオマスによるエネルギーの分野、材料科学分野における糖質の利用の重要性などを指摘しており、今後のロードマップを提案しています。その翻訳版の冒頭にも記載しましたが、世界のグライコサイエンスの現状をグライコームをキーワードとして論文数で見ますとゲノム、プロテオームに比較してまだ多くはありませんが、加速度的に増加しております。特に注目されているO-GlcNAc修飾の関連論文については単独だけでもかなりの数がでております。

 我が国の糖鎖科学は多くの先達のご努力の貢献により、国際的にも評価が高く、また次世代を担う若い研究者や学生の方々が、独創的な研究をされていることに大きな期待と慶びを感じております。 特にこのたび、山川民夫先生の長年の国際的なご業績を讃え、JCGGが国際賞としてのTamio Yamakawa Awardを創設いたしました。詳細はホームページをご覧いただきたいと思います。第1回は来年度のシンポジウムで受賞者の講演と受賞式がおこなわれます。

 一方で、現在は糖鎖科学のコミュニティーを支えるような大型の研究予算の獲得は門松健治先生(名古屋大学)を代表とする新学術領域研究以外は、残念ながら成功していません。日本学術会議で提案されている大型マスタープラン(世話人古川鋼一教授)の実現を期待しています。 今後グライコサイエンスは関連学会はじめ分野の異なる領域の研究者との交流、糖鎖関連学会との連携も模索しながらさらに新たな発展を願うものです。

 国際的な交流としては、昨年は小職がはからずもPresidentに就任しました米国のSociety for Glycobiolgyと日本糖質学会(伊藤幸成会長)との合同会議が11月16-18日にハワイで開催され、成功裡に終えております。この合同会議は2003年に一度開催されており、10年ぶりの開催となりました。またアジアにおけるACGG会議(成松久先生、鈴木明身先生らにより発足)なども発展しており、本年度は井ノ口仁一先生(東北薬科大学)を世話人として仙台で11月に開催が予定されております。また従来から行われてきたドイツ、フランス、オランダ、中国、台湾などとの合同会議などを通じて、ますます特に若い研究者の方々の国際交流が期待されています。日墺は本年9月、鈴木匡先生(理化学研究所)がクロアチアで、また日蘭は来年5月に北島健先生(名古屋大学)がオランダでそれぞれ世話人として開催が予定されています。

 本年度のJCGGシンポジウムは、加藤晃一先生(岡崎統合バイオサイエンスセンター)が世話人代表として10月19-20日に名古屋で開催されます。JCGGのシンポジウムでは昨年来、産学連携セミナーの新しいセッションを設けて今後の産学の協力体制を構築する努力をしておりますが、本年度からはこれまで長年JCGGに協賛いただいていた企業の方にも幹事として参画いただいています。企業の方々のご協力にこの場をお借りして感謝申しあげます。

2015年7月